
「客を選ぶ」
久しぶりに高校の同級生が経営する割烹料理店に行った。たまたま近くを通りかかったからである。(もちろん予約無し) 同級生なので当然入れてくれた。「久しぶり、元気でやってるか」、なんて他愛もない話をしていると若者数人が「大丈夫ですか?」と入って来ようとしたが、「今日はもう終わりなので、ごめんなさい。」と彼は断った。まだまだ営業時間内である。どうしてかと尋ねると、看板しか無い、メニュー表も無いこの店に、一見さんが来てかき回されては困る。客を選ぶ、そのことが結局この店を長くやることにつながるんだ、と彼は説明してくれた。 この店は彼の父親の代から、もう50年以上続いている。